パパから見たアメリカ妊娠・出産体験記!帝王切開でも立ち会うってマジっすか?


アメリカで出産を経験された女性の体験記ってけっこう目にしますが、男性の体験記ってあまり見ないような気がします。

赤ちゃんを産むのは女性なので、男性の出産体験記ってなんなんだって話ですが、私は個人的な興味から1人目長男の時も2人目長女の時も、妻の検診はすべて同行しました。

もちろん2人とも出産にも立ち会いました。

そしてタイトルにもありますが、2人とも緊急帝王切開となり、なんとそれにも立ち会いました。

なので、そのへんの一般的なお父さんよりもアメリカでの出産について体験記が書ける自信があります。

ということで、男性から見たアメリカ出産体験記を書いてみたいと思います。

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アメリカと日本では妊娠してる期間が違う!?


パパからみたアメリカ妊娠・出産体験記の前に、アメリカと日本では妊娠している期間が違う!というお話。

この話、聞いたことある人もいるかもしれません。

日本だと赤ちゃんは十月十日で生まれてくると言われていますよね。だから妊娠期間は10か月と考えている人は多いです。

でもアメリカだと、妊娠期間は9か月と考えられています。

私は最初これを知らなくて、恥をかきました。

研究室の同僚が妊娠したので、世間話で10か月も妊婦やるって大変だよね~と言ったら、

「何言ってるの。妊娠は9か月でしょ。ほんと、男ってなんも知らないんだね。」

と言われてしまいました。えっ?と思ってネットで調べると、どうやらアメリカでは妊娠期間が9か月と考えられてるそうなんです。

もちろん日本人だろうがアメリカ人だろうが、当然赤ちゃんを妊娠している期間は同じです。

日本でもアメリカでも出産予定日は最終月経の開始日から40週後(280日後)に設定され、医学的な妊娠週数の数え方は変わりません。

ところが慣習的に、日本では最初の4週間を妊娠1か月目としてカウントします。全部で40週なので10か月ですね。

これがアメリカでは慣習的に、最初に妊娠が発覚した時を1か月目と考えます。

だいたい妊娠が分かるときは月経が遅れている時なので、その時点で医学的には妊娠4-6週ですよね。

つまりアメリカでは妊娠0か月目があるのです。(下図参照)

ということで、日本とアメリカで妊娠期間の数え方に1か月のズレが生まれるというわけです。

いちいち日本式とアメリカ式で分けて考えると混乱するので、妊娠週数で考えるのがおすすめです。

アメリカではパパも検診に参加




妻が第一子を妊娠した時、私は大学院生で比較的時間の融通が利いたうえに個人的な興味もありましたので、定期検診にはすべて同行しました。

妻は近所にあった大学病院の産婦人科で見てもらっていたんですけど、検診にはけっこうな割合でパパさんたちも同行していました。

なかには同じ大学病院に勤めていると思われる白衣を着たお医者さんが、勤務時間の合間を縫って奥さんの検診に付き添っている姿まで見られました。

日本でママの検診に付き添うパパってどれくらいいるでしょうか?

というか、そもそも日本だと産院によってはパパが診察室まで付き添うことを認めていないところもあるようです。

アメリカは待合室はもちろん、診察室へも問題なく入れます。

診察室では最初に看護師さんが血圧やら体温やらを測ってくれて、簡単な問診をします。

そしてしばらくすると医者や助産師がやってきて、同じような問診をするという流れです。

私は待合室から診察室まで、金魚のフンのように妻にくっついていきましたが、看護師さんもお医者さんも邪魔者扱いせずにしっかりとパパにも話しかけてくれました。

アメリカらしくて面白いなと思ったのは、ある検診で妻だけ別室に連れ出された時です。

「ちょっと別室で尿検査をするから、Daddyはここで待っててね。」

と看護師さんに言われて、私だけ診察室に取り残されました。

その時は特に気にも止めませんでしたが、戻ってきた妻曰く

「旦那さんにDVされてない?モラハラとかない?もし助けが必要ならダンナに知られないように手配するわよ!」

と看護師さんに言われたそうです。

なるほど!

父親が毎回検診に付き合うのは単に興味があるからという理由からではなく、奥さんを監視するためではないか?という可能性もあるんですね。

超音波検査(エコー)は2回しかやらない!


アメリカの超音波検査(エコー)は妊娠8週目くらいに1回と18週目までに1回の合計2回しかやりません。

ちなみに英語だとエコーとは言わずに、Ultrasound(ウルトラサウンド)と言います。

日本だとほとんど毎回エコー検査をするのが当たり前だと思いますが、アメリカでは妊娠期間中に2回か3回が一般的です。

しかも大学病院のような総合病院では分業制がかなり進んでいて、医者はエコーなんかやってくれません。(日本でもそうかな?)

専門の技師さんがエコー画像をたくさん撮って、それを医者に見せて診断を仰ぐのです。

アメリカで長い間お医者さんとして活躍している知り合いの日本人によると、アメリカでも昔は毎回エコーをやっていたそうです。

ところがアメリカの「医学的に意味のない検査はやらない」という方針から、心拍を確認できるあたりに1回、性別を確認できるあたりに1回の合計2回になりました。

基本的に赤ちゃんが元気かどうかはエコーなどやらずに判断できるらしいんですよね。

これには医療費を削減するという目的もあります。

ということで、3回目以降のエコー検査は保険でカバーされず、やりたければ自費になります。(※ただし、医者が必要だと判断すれば保険でカバーされるようです。)

エコー検査は自費だと1回あたり600ドルくらいです。

日本では検診のたびに超音波検査(エコー)をやって、なかには3Dの画像にしてデータを渡してくれるところもあるみたいですね。

ちょっとうらやましいですが、アメリカでそれをやるのは大金持ちのセレブだけです。

それでは妊娠週が進んでからエコーをやらずに何をやるのかといえば、心音を聞くことが出来るマイクをお腹にあてて心拍数を測ってくれます。

あれくらいの機械なら、自分で出来るやつがAmazonで売ってるよな~と思いながら毎回検診を眺めていました。

立ち合い出産が当たり前なので立ち会うかどうか聞かれない




長男を産んだとき、39週で陣痛が来ました。

大学病院に電話すると、入院の支度をしながらゆっくりでいいから診察に来るように言われました。

アメリカの出産は立ち会うことが当たり前なので、立ち会うかどうか特に聞かれることはありません。

さらに言うと、私たちが長男を産んだ大学病院はママがOKを出せば誰でも立ち会うことが出来ました。

特に事前に申請する必要もありません。

ママがいてほしいと思う人であれば、おばあちゃんでもおじいちゃんでも、友達でも、元カレでも、誰でも立ち会えるんです。

日本だとあり得ないですよね、家族でもない他人が立ち会うって。

ただし、あまりに大人数になると医療従事者の邪魔になるので、2人までといった人数の制限はありましたが。

さらにいうと、出産のために入院した部屋は24時間、誰でも訪れることが出来ました。

面会時間というものがないんです。

ただ、さすがにセキュリティーはかなりしっかりしています。

入院施設の入り口は1か所しかなく、必ず受付で名前を書いてID(ただのシールですが)を発行してもらうシステムでした。

入院部屋は日本でも流行りのいわゆる「LDR」と呼ばれる形式でした。

陣痛(Labor)、分娩(Delivery)、回復(Recovery)を一つの部屋で行えるのでLDRと呼ばれています。

大学病院内の1フロアがすべて個室LDRとなっていて、陣痛が始まったらそのうちの1つに入院しました。

部屋にはソファーベッドがあり、付き添いの人も泊まれるようになっています。

共通スペースには常にコーヒー、ジュース、水、軽食が用意されていて、付き添いの人も全部タダで利用することが出来ました。

エリート中のエリート・麻酔科医が無痛分娩用の麻酔を打ってくれる


アメリカでは50%以上の女性が無痛分娩で出産するそうです。(参考:American Pregnancy Association

妻の出産のときも、事前に無痛分娩をするかどうか聞かれました。

無痛分娩は英語だと「Epidural(エピデュラル)」と言います。

これは無痛分娩の際の麻酔方法「Epidural Anesthesia」(硬膜外麻酔)から来ています。

妊娠週が30週を越えたあたりで、看護師さんから

「Epidural(エピデュラル)にする?」

と聞かれます。

日本だと、陣痛を経た出産こそ至高!みたな謎の思想がありますが、アメリカでは痛みは敵!医学で取り除けるなら取り除く。という考えがあるので、出産でも無痛分娩を選ぶ妊婦さんが多いそうです。

私は個人的に無痛だろうが自然だろうが、母子ともに健康ならどちらでもいいので特にこだわりはありませんでした。

ということで、無痛にするかどうかは妻にお任せしました。

妻の答えは、

「陣痛を経験してみたいから、耐えられるとこまで耐えてみたい!無理だったら麻酔を打ってほしい!」

というもの。

私たちが赤ちゃんを出産したのは大学病院だったので、専門の麻酔科医が24時間勤務しています。

なのでこの要望もすんなりOKが出ました。

結局陣痛が始まって入院すると、感覚が5分くらいになったところで陣痛のほかに腰に激痛が走るというアクシデントに見舞われました。

どうやら赤ちゃんの頭が腰のあたりの神経を圧迫しているらしく、耐えられないほどの激痛に襲われ始めたようなのです。

陣痛って波があって規則的に痛みが襲ってきますが、この腰の圧迫は常に痛い状態で、さらにそこへ陣痛がくるので、「このままだと出産までに体力を消耗してしまう」

という医師の助言もあり、Epidural(エピデュラル)をしてもらうことになりました。

そこで登場したのがエリート中のエリート、麻酔科医です。

アメリカでも日本でも医学部に入るのはとても難しいですが、アメリカでは医学部に入った後、専門を決めるときにも熾烈な競争があります。

麻酔科医は勤務時間が決まっていることが多く、さらに年収もトップレベルで高い(アメリカの医者は科によって年収が違う!)ので、医学生に人気です。

人気が高いということは、麻酔科医になるためには医学部内での競争に勝ち抜く必要があるのです。

ということで、アメリカの麻酔科医はエリートの医者の中でもさらにエリートなのです。

入院していた産科から麻酔科に連絡が行くと、すぐに麻酔科医がやってきました。

麻酔科医は素早い作業でパパっと硬膜外注射を済ませ、麻酔をセットアップして帰っていきました。

硬膜外注射は背中に麻酔針を差し、中枢神経が通っている骨髄の一歩手前に麻酔薬を注入する方法です。

麻酔は点滴のような仕組みで、機械で量を調節しながらゆっくりと注入していきます。

注射が済んだらあとは機械で麻酔量を調節するだけですが、この機械は麻酔科医でないと動かせないようになっています。

妻の場合、最初に麻酔科医が設定してくれた量だと麻酔が弱すぎて腰の痛みが引かなかったので、しばらくしたら産婦人科医がもう少し麻酔を強くするように、麻酔科医に連絡をしてくれました。

量を調節するといっても機械をポチポチいじるだけなので、産婦人科医でもできそうな気がするのですが、その機械がパスコードでロックされていて、解除コードは麻酔科医しか持っていないのです。

しばらくすると再びさっきの麻酔科医が部屋にやってきて、機械をポチポチいじりながら麻酔を強くしてくれました。

このように、麻酔は必ず専門知識がある麻酔科医がやってくれたので、患者側からしたら安心でした。

頑張ったけど赤ちゃんが出てこない→帝王切開になったが...


「Epidural Anesthesia」(硬膜外麻酔)の力を借りて約20時間の陣痛に耐えた後、ついに子宮口が全開となりました。

先述のように入院していた部屋はLDRタイプなので、すべてのステップが同じ部屋で行われます。

助産師と産婦人科医が部屋にやってきて、

「さあ、頑張ってPushするよ!」

と出産が始まります。

ところが麻酔が強すぎて妻が上手くいきむことが出来ず、またしても麻酔科医を呼んで今度は麻酔を弱くしてもらいました。

すると今度は麻酔が弱すぎて腰の痛みが再発し、痛すぎてうまくいきむことが出来ません。

こんな感じで麻酔を調節しながらいきむ→うまくいかないを繰り返しました。

医師と看護師は30分ごとにいったん部屋を後にし、「カンファレンス」をしていました。

このお産をどうやって進めるかを話し合っていたのです。

結局2時間ほどいきみましたが、赤ちゃんは出てきません。

ここで、赤ちゃんの心拍も弱くなっているということで緊急帝王切開が決定しました。

私はこの決定を告げられた時

「ああ、手術か。じゃあもう自分にできることは終わったな。」

と思っていました。

ところが、産婦人科医が私に使い捨てガウン・マスク・キャップを渡してこう言いました。

「今から手術室の準備するから、10分後にそれ着て手術室に来てね!」

なんと、帝王切開も立ち合いなのです!

妻がベッドに乗せられたまま手術室に運ばれていき、10分後に私も手術室へ。

手術室はドラマとかで見たことがあるまんまの光景でした。

私は妻の枕元に座らされ、妻の手を握っているように言われました。

帝王切開の麻酔は硬膜外注射の針が既に背中に入っているので、それを使います。

開腹手術ですから、かなり強めの麻酔を使っていたようですが、本人は意識のある覚醒状態で手術が進みました。

一応妻の胸のところについたてが置いてあり、手術している様子は本人からは見えないようになっています。

ところが私のところからは、見ようと思えばバッチリ見えちゃうんですねこれが。

私は好奇心からちょくちょくと手術中の様子を見ていましたが、ガッツリ出血していて、これダメな人は失神してもおかしくないだろうな~という感じでした。

私は意外と大丈夫でした。

手術室に入ってから30分くらい経った頃でしょうか?

お医者さんが、

「赤ちゃん出てきたよ!おめでとう!」

と声をかけてくれました。

入院してから24時間以上、最後は手術になりましたが、やっと我が子と対面です。

生まれたての子ってサルみたいであまり可愛くないと聞いていましたが、自分の子どもは超かわいくて感激したのを覚えています。

9か月もの長い間赤ちゃんをお腹の中で育て、さらに24時間以上かけて赤ちゃんを産んでくれた妻には心から感謝しています。

手術室では医師たちが妻のお腹の縫合をしていましたが、その間看護師さんが赤ちゃんの身体を拭いてくれてました。

体重と身長を測ったら、私だけ赤ちゃんの元に呼ばれ、ハサミを渡されます。

「じゃあパパ、へその緒切ってね!」

アメリカの出産はどこまでも父親にいろいろ経験させるんだな~と思いながら、へその緒にハサミを入れて、私たちのアメリカでの初めての出産は無事に終了しました。

赤ちゃんは生まれてすぐにICチップ付きの足環をつけられます。

これには赤ちゃんの取り違えを防ぐ目的と、誘拐を防ぐ目的があります。

この足環は無理やり取ろうとすると病棟にアラームがなる機能が付いており、さらに足環をつけたまま病棟の出入り口に近づいてもアラームが鳴ります。

こうやって医療過誤や連れ去りトラブルを未然に防ぐ工夫がされているのです。

パパのアメリカ出産体験記・まとめ

私たちが第一子を出産した時、ちょうど日本にいる私の妹も妊娠・出産を経験していて、リアルタイムで情報交換すると日本とアメリカの違いが鮮明になって面白かったのを覚えています。

たぶん日本に住んでいたらここまで出産にかかわらなかったと思うので、予想外の帝王切開立ち合いも含めて非常にいい経験でした。

ちなみに二人目の出産のときも同じようなルートで帝王切開になり、同じように立ち会いましたが、これについてはまた別記事で書こうと思います。

日本だと奥さんの出産に立ち会うか、立ち会わないか迷う男性が多いと聞きますが、アメリカだと立ち会うことが当たり前となっているので、特に立ち会いますか?とは聞かれません。

たまに日本のプロ野球に助っ人で来ているアメリカ人選手が、奥さんの出産のために一時帰国するというニュースがありますが、アメリカでは出産に立ち会うのが当然なんですね。

考えてみれば自分の子どもなんだから当たり前かもしれませんね。

立ち会ったからって出産の大変さが全部理解できるとは到底思いませんが、少なくとも妻に対するリスペクト、そして自分を産んでくれた母親に対するリスペクトの気持ちが生まれます。

これからアメリカで出産されるカップルのお産が無事に終わることを祈っています。

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