I’m Japaneseって、どういう意味だと思いますか?
別にバカにしてるわけではありません。
当然「私は日本人です」って思うでしょ?
正解です。
いや、本当にバカにしてるわけではありませんよ。
でも繰り返すともっと嫌な感じですよね。
すみません。
実は私も「I’m Japanese」を「私は日本人です」という意味だとおもってましたし、実際そいう意味で使ってました。
でも移民だらけのアメリカだと、私たちが考える意味とはちょっと違う意味を持つんですよね、この表現。
アメリカ生まれアメリカ育ちでもI’m Japaneseという人たちがいる
アメリカにはアメリカで生まれてアメリカで育っても、「I’m Japanese」という人たちがいます。
それは日系人です。
彼らはアメリカ生まれで日本語は全く話せなくても日系人という意味で
「I’m Japanese」
を使うんですね。
先日、友人の友人で山本エミリー(仮名)さんという方にお会いしました。
見た目は日本人ですが、日本語が全く話せません。
カリフォルニアにはそういった日系人が沢山いるので、特に驚きませんでした。
そんなエミリーさんとの世間話のなかで、彼女が言いました。
「My parents are Japanese!」
ほうほうなるほど。ということは、このエミリーさんは私の息子や娘と同じく、移民2世の日系人なわけね。
私はアメリカで子供たちの日本語をどうやって維持させようか?ということに興味があるので、エミリーさんがご両親に英語で育てられたのか?日本語で育てられたのか?を質問しました。
ところがエミリーさんのご両親もアメリカ生まれで、日本語はほどんどできないそう。
え?どういうこと??
するとエミリーさん。
「My grandma was born in Japan!」
つまり、エミリーさんのおばあさんが日本出身で移民1世、ご両親は2世で彼女は3世なんです。
エミリーさんの言う、
「My parents are Japanese!」
とは、ご両親が人種的に日本人(=日系人)だという意味だったんですね。
同じように中国系アメリカ人も中華系という意味で「I’m Chinese」と言いますし、ドイツ系アメリカ人は「I’m German」と言い、フランス系アメリカ人は「I’m French」と言います。
なるほど、おもしろいと思っちゃいました。
だって、日本語で「私は日本人です。」といえば、当然日本生まれで日本育ちの日本国籍所有者を想像するじゃないですか?
ところが移民だらけのアメリカだと、Japaneseは日本系という意味でも使うんですね。
こちらに長く住んでいますが、今までそんなこと意識したことがありませんでした。
じゃあ私たち日本人が普通考える「日本人です。」は何と言えばいいのかと言えば、
「I’m from Japan」です。
これで日本出身(=日本生まれ・日本育ちの日本国籍保有者)という意味になります。
移民2世は「Where are you from?」の質問に困惑する!?
アメリカ人は初対面の人によく
「Where are you from?」
と出身地を聞きます。
これは私のような外国人に対してだけでなく、アメリカ人に対してもよく聞く質問です。
こう聞かれると、アメリカ人は生まれ育った州の名前を答えます。
外国人である私は日本生まれ日本育ちなので、
「I’m from Japan」
と答えます。
さて、私の息子と娘はアメリカ生まれ、アメリカ育ちですから、二重国籍ではありますがアメリカ人でもあるわけです。
子どもたちが大人になって
「Where are you from?」
と訊かれたら、
「I’m from California」
と答えるのが正解です。
ところが、見た目が典型的なアメリカ人っぽくない上に名前が日本名だと、質問した人から
「No, I mean, where are you from??」
と聞き返されることが多いそうです。
ニュアンス的には、(そうじゃなくて、ほら、ね、本当はどこ出身なの?)
といった感じです。
要するに質問した人は、お前の祖国はどこなんだ?と聞きたいんです。
祖国もクソも、私の子どもたちはアメリカ生まれなのでアメリカ人なのですが、そいういう事じゃないんですね。
人種的なバックグラウンドを知りたいんです。
そういうときに、
「I’m Japanese」
と使うワケです。
こういう事って非白人・非黒人のアメリカ人だとよくあることみたいなんですね。
そういう場合は
「Where are you from?」
という質問に対して
「I’m from California. My parents are from Japan.」
と答えると相手は満足するようです。
日本でも見た目が黒人の芸人アントニーが、
「どこの出身?」
「日本語うまいね!」
と言われることがよくあったそうですが、アメリカでもそういう事があるんですね。