今回のロシアワールドカップ、盛り上がりましたね!
前評判は低かったのに見事ベスト16に進出し、世界ランキング3位のベルギーと死闘を演じた日本代表。
残念ながら負けてしまってめちゃくちゃ悔しいですが、感動しました。
思えば私、2010年の南アフリカ大会、2014年のブラジル大会、そして今回2018年のロシア大会と3大会連続でアメリカからW杯を観戦してるんですよね。
日本では渋谷の交差点や道頓堀に若者が集結してバカ騒ぎするのが恒例になっているみたいですが、アメリカではあんまりワールドカップは盛り上がりません。
少なくとも私が見た過去三大会では、日本のように普段サッカー見ない人も熱狂するってことは、ありませんでした。
では、なぜアメリカではW杯が盛り上がらないのか?
私なりの考察をまとめてみました。
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アメリカのプロサッカーリーグは人気がない
今回のロシアワールドカップ、アメリカは本選出場できなかったので、盛り上がらないのは当然かもしれません。
ところが、アメリカ代表が本戦に出場した2010年南アフリカ、2014年ブラジルともにそんなに盛り上がりませんでした。
ちなみにアメリカ代表は1990年大会から2014年ブラジル大会まで7大会連続でW杯に出場しています。
しかも2010年、2014年ともアメリカはグループリーグを突破してベスト16に進出しました。
そう、アメリカ代表はそこそこ強いのです。
にもかかわらず、みんなそれほどワールドカップに興味ありません。
前回大会のときアメリカ人のクラスメイトに「今日アメリカの試合あるけど見るの?」と質問したら、
「え、アメリカも出るの?」
という答えが返ってきました。
せっかくアメリカ代表は強いのに、全然注目されなくて可哀そうです。
そもそもアメリカ人はプロサッカーにあんまり興味がありません。
一応北米にはMLSというプロサッカーリーグがあるのですが、その人気はNFL,MLB,NBA,NHLの4大プロスポーツに遠く及びません。
世界でFootball(フットボール)といえばサッカーのことですが、アメリカではフットボールといえばアメフトなのです。
ちなみに興味深いことに、アメリカのサッカー競技人口は約2500万人で、中国に次いで世界2位となっています(出典:デジタルマーケティング時々サッカー)。
つまり、サッカーをやっている人は多いんですね。
サッカーってボール1つあればプレイ可能で、特別な用具もいらずルールもわかりやすいので、アメリカで子供が習うスポーツとして圧倒的な人気を誇っています。
男の子も女の子も、プレイする分にはサッカーはアメリカで非常にポピュラーなスポーツなんです。
やるのは好きだけど、見るのはあまり興味がないという事なんでしょうね。
アメリカ人はそもそも国際大会にあまり興味がない
盛り上がらないのはワールドカップだけではありません。
アメリカ人は一般的に、アメリカ代表と他の国が戦う国際大会にあまり興味がありません。
たとえばオリンピックや、野球の国際大会WBCも日本ほどは盛り上がりません。
アメリカ人は国際大会でアメリカ代表が活躍するのを見るよりも、地元プロスポーツチームや地元大学チームが全米のライバル相手に戦うほうにテンションが上がるみたいです。
たぶんこれは、アメリカでは州の権力が非常に強いことが関係しているのではないか?と思います。
アメリカは州によって独自の法律があり、州政府がとても大きな権力を持っています。
アメリカ人にとって州とは国と同じような感覚なのかもしれません。
アメリカの正式名称「United States of America」は日本語に訳すとアメリカ合衆国ですが、「合衆国」とは異なる国・国家が集まって出来た国という意味なんですよね。
だから、おらがチームが他州のチームと戦う国内プロスポーツが、彼らにとって既に国の威信をかけた国際大会のような感じなのかもしれませんね。
ちなみにこの意識を反映しているのか、アメリカ人にWhere are you from?と質問すると、多くの人が「USA」とは言わずに、「California」とか「Texas」とか州名を答えます。
アメリカにいてそう答えるならまだしも、国外にいるアメリカ人も州名を答える人が多いみたいです。
ワールドカップ開催期間はNBAファイナルとかぶる
上にも書きましたが、アメリカでは国際大会よりも国内スポーツリーグのほうが注目されています。
タイミングの悪いことに、ワールドカップが開催される6月はちょうどバスケットボールNBAのファイナルの日程と重なります。
NBAファイナルはプロバスケットボールNBAの年間チャンピオンを決めるプレイオフ決勝戦ですが、対戦する2チームの地元はもちろんのこと、全米中が注目するスポーツイベントです。
だからそっちのほうに視聴者を奪われて、W杯は二の次というのもアメリカでW杯がイマイチ盛り上がらない理由の1つなのではないかといわれています。
アメリカにはスポーツのライバル国がない
サッカーをはじめとするスポーツには、この国だけには負けられないというライバル国があります。
例えば日本と韓国、フランスとドイツ、オーストラリアとニュージーランド、ブラジルとアルゼンチンはいろんなスポーツでしのぎを削っています。
ところがアメリカにはスポーツでこれといったライバル国がありません。
女子サッカーではドイツや日本がアメリカのライバルと言われていますが、男子サッカーアメリカ代表には絶対に負けられないライバル国というものがないのです。
これがW杯予選も含めてイマイチワールドカップがアメリカで盛り上がらない理由の1つかもしれません。
2026年ワールドカップはアメリカがホスト
残念ながら毎回世界が熱狂すのに比べるとアメリカでは全く盛り上がらないワールドカップですが、2026年大会はアメリカ・カナダ・メキシコの3か国共催になることが発表されました。
アメリカでワールドカップが開催されるのは、日本がかの有名なドーハの悲劇で出られなかった1994年大会以来32年ぶりです。
アメリカはもともとオリンピックでは毎回メダル取りまくるスポーツ超大国です。
国民の人気はないけど、サッカーナショナルチームだってFIFAランキング堂々の25位(2018年6月現在)。
2026年大会に向け、アメリカがガチでサッカーのナショナルチーム育成に舵を切って、ヨーロッパや南米の強豪を脅かすくらいに成長したら、8年後はおもしろい大会になって国内でも盛り上がるんじゃないでしょうか??